特許は、基本的に『
今までにない良いもの』に対して付与されます。
『
今までにない』は、公になっている既存の技術(公知技術)との比較で新しい部分を有するかどうかで判断されます。
(例)今までは丸型の鉛筆しかなかった→六角の鉛筆を発明した(今までにない六角形状を有する)
『
良いもの』は、公知技術と比較してメリットがあるかどうかで判断されます。
(例)今までの丸型の鉛筆では机の上で転がってしまう→六角の鉛筆だと机の上で転がりにくい(転がりにくいというメリットがある)
よくある事例では、『
今までにないもの』なのですが、どこにメリットがあるのかがよくわからないようなことがあります。ですが、『
今までにないもの』であれば、探せばどこかにメリットはあります。また、どうしてもメリットを見つけられない場合は、意匠権を取得するという手もあります。
どんな書類を用意すればいいの?
特許を取得するには、明細書、特許請求の範囲、図面、要約書の4つの書類を準備し、これらを特許庁に提出します(出願といいます)。
明細書 :発明の内容を文章で詳細に説明したもの(今までにないいいものであることを事細かに説明するもの)
特許請求の範囲:明細書の中から特許として権利を取得したい発明を文書で特定したもの(今までにないいいものであるための最低限の要件を記載するもの)
図面 :発明の理解を助けるために必要に応じて添付する図や表等
要約書 :発明の内容を文章で簡潔に記載したもの
どうやって書類を作成すればいいの?
1.発明の本質を捉える
『
今までにない良いもの』には余計な贅肉がついていることがあります。その贅肉をそぎ落とす作業が必要になります。このためには、効果を得るための最低限の構成を探します。
鉛筆の例で説明しますと、六角形の鉛筆は、『転がりにくい』という効果を得るための一形態に過ぎません。『転がりにくい』形状を考えていくと、台形や三角形でも良いわけで、そうしますと『多角形』という構成にたどり着きます。
実は、これではまだ不十分です。例えば、円形の鉛筆に1つの平面を設けたり、曲率を変えた曲面を設けたり、突起を設ければ、『転がりにくい』形状にはなります。
これらの形状と多角形との共通項が最低限の構成になります。
2.書類にまとめる
(1)発明の本質を捉えたら、それを記載した『特許請求の範囲』を作成します。
特許請求の範囲は、一般的に構成要素(発明特定事項)を列挙するようにして記載します。
鉛筆の例の場合は、例えば以下のように記載します。
『棒状の芯と、
芯の周囲を覆う軸と、
を備え、
前記軸の外周と中心とを結ぶ線が非均一である、
鉛筆』
(2)発明の本質を含めた実施例をいくつか記載した『明細書』を作成します。
具体的には、本質を捉える際に想定したことを包含できるような実施例を記載します。例えば、三角、四角、五角、六角等の鉛筆、1つの平面を有する鉛筆、1つ及び複数の突起を有する鉛筆等について図面を参照して説明を記載します。
このとき、構成と効果を記載することで、『今までにない良いもの』ということを立証しやすくなります。
(3)『明細書』の作成前に『図面』を作成します。
実施例を説明するための図面を作成しますが、このとき請求の範囲に現れる文言は図面に表すように心がけると良いです。
(4)最後に、発明の内容を要約した『要約書』を作成します。
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